匿名リサーチ2000X File No.0930 「どどめ色の正体を追え!」 (北関東の人には常識かもしれないけど) |
「どどめ色」
その語感の破壊力故にネガティヴな比喩表現として多く用いられる色名。
しかし、それがどんな色なのか、御存知の方はどれだけいるだろうか。
早速何人かの友人にリサーチを試みたところ
「うんこ色」
「絵の具を全部混ぜたときの色」
「きちゃない色」
など一定しない。
大型書店で片っ端から色名事典を検索したが、どどめ色が載った書物はなかった。
「奇妙な名前の色たち」(福田邦夫著・青娥書房刊)という脈のありそうな本も発見したが、この本にもどどめ色は載っていなかった。
(ちなみにこの本で、古来日本には「糞色(ばばいろ)」という色名が正式にあったことが判明。にごった黄色というからこのフォントの色が近いだろう)
そもそも「どどめ」とはいったい何なのであろうか
まずそこからリサーチを再開。
国語辞典を調べたり広辞苑を調べたりインターネットセクションで管野美穂_(今いないって)に検索させたりしたところ、いくつかの有力な手掛かりを入手した。
なんと「どどめ」とは桑の実、あるいはガマズミの実の別名であるというのだ。
クワはクワ科、ガマズミはスイカズラ科の植物で、ともに小さな果実をつける。そしてその果実の色は、どちらも黒み、または赤みがかかった紫色である。
関東北部では特に熟しきって黒っぽくなった桑の実を指して「どどめ」と呼ぶという。
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熟したクワの実画像提供・天文と科学のページ様 |
ガマズミの実画像提供・BotanicalGarden様 |
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つまり「どどめ色」とは、熟しきった桑の実のような黒紫、または赤紫を指した色名である可能性が高い。
さらに「どどめ」を漢字に直すと「土留め」つまり土砂崩れを防ぐための堤防を指す。この土留めに植える木の中にクワの木があり、それが特徴的な紫の実をつけるので
桑の実色→どどめ色
となったと考えられるのだ。
我々はこの「どどめ色」=「桑の実色」という仮定をもとに再び色名事典を検索した。
そしてついに、「マルベリー」という色があることを発見。
マルベリー(mulberry)=桑の実 である。
そのカラーバランスは文献によって少しづつ異なっているが、代表的なものを紹介する。
どどめ色(mulberry)のいろいろC70 M85 Y50 K34 出典・「色の名前事典」(福田邦夫著、主婦の友社刊) C100 M100 Y70 K40 出典・「ヨーロッパの伝統色」(日本色彩研究所・福田邦夫著、読売新聞社刊) C80 M100 Y20 K50 出典・「ザ・カラー 色と配色の事典」(渋川育由・高橋ユミ著、河出書房新社刊) |
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各カラーサンプルはCMYKカラー(=シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)の表記に従った。
汚い色、ネガティヴな色の代名詞として親しまれ(蔑まれ?)てきた
「どどめ色」。
その正体は熟した桑の実からイメージされた深く美しい紫色であった。
和田君「いやあ、『人生どどめ色』ってのも悪くないですねえ」
チーフ「君の場合『人生ババ色』が近いんじゃないの?」
ぶぉーん ぶぉーん ぶぉーん ぶぉーん
ぱららららららららららららららららららららららららら・・・・・・・
(すごい速さでスタッフロール流れる)
おしまい。
P.S. 画像を提供して下さった「天文と科学のページ」、「BotanicalGarden」の各管理者様に深謝いたします。
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